設計進捗

建築好きのブログです。

安定した成績が取れるようになった-建築設計談①

はじめに

皆さん、こんにちは。

 

特に難しい話をしたいわけでもなく、設計の授業の流れなどを掻い摘みながら安定して自分の思う結果を出すためにはどういった方面に時間をかけるべきか、Tipsを少しずつまとめていけたらな、と思います。

 

設計は地道な積み重ね

今回のテーマは、「教育方針について知ること&設計の対策を練りましょう!」という感じです。

教育方針について知る

皆さんの通う大学や専門学校によって教育方針がかなり違う部分があるのだと思いますが、建築の設計課題で問われる能力は、大きく分けて2つあります。

 

1つ目が、設計の技術能力。

2つ目が、設計についての理解と解決能力。

 

設計の技術については、説明しだすと話が長くなりますのである程度省略をしますが、建築士の主要媒体は紙の図面ですので、”図面に設計をまとめる”能力や、模型や3DCGなどの”図面表現を補助するための媒体を扱う”能力を指します。

 

設計についての理解と解決能力は、少し説明が難しいのですが、大まかには”設計を依頼する人の需要を知る能力”、”需要を踏まえて問題を提起する能力”、”問題を解決する能力”、の3つを指します。

 

そして各教育機関では、この設計技術能力と設計理解・解決能力についての教育方針が大きく違います。例えば工学系の大学ではより設計技術能力や設計を表現するための基礎に関する訓練の比重が多く設定されています。

 

初年度は構造力学、歴史などの建築知識の総合学習と座学がメインで、2年目以降に設計講義を取り組む大学もあるそうなので、カリキュラムについては教育機関によりけりといったところなのでしょうか。

 

実質、初年度から全開で設計課題が盛り込まれていた私たちの大学ですが、既にうちの学級からは脱落者がたくさん出ていました。

 

脱落者はどうしたかというと、希望する他学類へ移動するために大学側へ申請し、”成績が学級上位30%であれば専攻の変更できる”ため、その制度を利用して2年目に他の学部の2回生として受講していました。

 

勿論、不得意な学科で好成績を出すことは大変ですし、中には大学を辞めて再編入する人もいたので、”学科適性”という名の現実の厳しさをヒシヒシと感じていました。

 

競争が特に激しい中国ですから、クラスメイト同士であまり大きな差はないにせよ、高評価を得た生徒の作品を単純にそのまま真似しても、似て非なるものが教師の目には映っているそうで、彼らは正解の分からないまま、よい成績を叩き出せずに焦燥していたと思います。

 

設計がよくわからなくなる原因と対策-2つ

その原因は技術的な能力ではなく、設計についての理解と解決能力にあるのでは、と私は考えたわけです。

 

技術的な話であれば単純です。いかなる建築物も構造の基礎に成り立っているため、安全で堅牢な建築物を建てるためには過去の経験に則り、法規を遵守したものを設計すればいいのです。

 

しかし設計には唯一解がありません。需要を観察して、問題提起、そして問題を解決するための一連の流れをロジカルに進められるのが、理想的な設計なのですが、課題の忙しさに埋もれ、何を学ぶべきかよく分からずに時間が過ぎてしまうことがあります。

 

なので私が悪戦苦闘した末に思いついた初期対策が2点。

 

1つ目は、設計の傾向対策をすること。

2つ目は、設計の結論は急がないこと。

 

設計の傾向対策というと具体的には、課題で高得点を取っている過去作品などを参考にして、なるべく早く設計への理解度を深めることです。

 

大学や高専などの教育機関では基本的に課題を提出する際に、デジタルアーカイブとして過去の学生作品をまとめているのですが、このアーカイブ室で作品を閲覧したり、学年優秀作品の内容をじっくりと観察します。

 

観察して一番よくわかるのが、図面の詳細度です。”どのくらいここに時間をかけたらこのぐらいの図面が描けるのか”、”どのような表現、手法で図面を描いたか”、”担任教師はどのような案を高得点としているか”などの情報は観察を繰り返すうちに少しずつわかるようになりますし、案外これをやるだけで設計は速くなります

 

しかし過信は禁物です。一度もやったことがない作業に取りかかるのですから、あまりに時間を切り詰めて超人的なスケジュールを組むのではなく、”とりあえず2日間かけてどのくらいの速さで自分は再現できるのか”と自分の現段階のチカラの上限を知ると、建設的な計画が組めるようになると思います。

 

無論、これだけで十分ではありません。設計に対して”これは絶対である”と早々に結論付けしないことが、傾向対策と同じぐらい重要だと私は感じています。

 

”結論を急がないこと”、これは意外と体得が難しいのですが、

  • 設計で何かよく分からないところがあっても、一旦無視して制作を続け、その部分が無視できないほど問題が多くなってから、手を加え始めること。
  • 設計を解決するためのキーワードを”具体的な手段”ではなく、”色んな可能性に派生できる意思表示”で考えること。

という話です。

 

設計の規範は、全ての学生が最初から把握しているわけではないので、なんとなく地雷があることがわかっていたとしても、明確な自分の答えを持っていない、モヤモヤしているうちは果敢に地雷(設計上のタブーやミス)を踏み抜いて、小さな失敗を重ねておく必要があります。

 

そしてその失敗事例をなるべく速く、ひと通り経験していれば、後々日程が厳しくなっても、設計上の大きなミスを修正するだけの時間を確保できるようになります。逆に問題をうまく避けて通っていたり、先延ばしにしていた人は、課題後期に大きなミスがあることが発覚して、修正にも間に合わない状況があります。

 

一つひとつの規範や問題を見逃さずに、盲点を潰していくで標準的な設計をすることは可能だと思いますが、学生だと、本来教師がエスキス等で指摘して簡単な修正するだけでよい部分にまで時間をかけすぎてしまい、課題に必要な設計への理解を深める時間が足りなくなってしまいます。

 

2つ目の、”具体的な手段”よりも”意思”を考えるという話なのですが、例えば”交流の場を設ける”テーマ設計をするときに、必要なのは”交流の場、コミュニティスペースを作る”としてしまうと、交流のためにはどんな空間が必要なのかを考え始め、”交流”そのものについての理解がおろそかになりやすいです。

 

”交流の機会をなるべく増やしたい”という意思が含まれるテーマであれば、空間だけでなく、時間帯、ライフスタイルなどを設計要素として考えるきっかけになりやすく、設計への理解度が場所そのものに限定されなくなり、より創造的な解決案を考えられると思うのです。

 

そしてテーマ用に描いた建築の形態も、必ずしも需要と完全に合致するとは限らないため、常に変更を加えてもいいように複数の代替案を事前に考えるとよいでしょう。

 

続きは…

のんびりペースですが、このテーマで少しずつブログを更新していきたいと思っています。